ベランダから外を見ると『秘密戦隊ゴレンジャー』のテーマ曲を熱唱する自転車のオヤジさん。
夏ももう終わりです。ヘックス68です。
最近うちの娘はつかまり立ちがマイブーム。
テーブル、テレビ、食器棚。
手が届く物ならなんにでも支えにして、気がつくとアライグマの風太君並の勢いで仁王立ち。(あっちは支え無しですが)
それだけならば娘の成長に目を細めるばかりなのだが、なにぶん娘は生まれて初めての2足直立を獲得したばかり。安定していないため、直立していたかと思えばいきなりひっくり返って頭や顔面を床に打ち付けるという面白シーンを演出する。目が離せない。
僕は土曜日の昼食としてお好み焼きを食していた。
うちの食卓は足の短いテーブルのため、テーブル全面であれば娘の背でも充分届く。僕の食べる物に並々ならぬ興味を示す娘なので、僕が食事している時は常にテーブルにつかまり立ちで、食べている物に手を伸ばす。
立ち飲みで一杯引っかけるOLの図。
立ち飲み屋でおつまみの乾き物に手を伸ばすような姿勢で挑む娘のオフェンスを、巧にブロックしながらというのが最近の我が家の食事風景なのだが、今日もディフェンスに定評のある池上さんのようにいぶし銀のプレーで娘の猛攻を防ぎながらお好み焼きにソースをかけていた。
と、突然ふらり、バランスを崩す娘。
ジョン・ウーの映画のように、スローモーションで、後ろ向きに倒れていく娘。
危ない!
僕はとっさに右手を伸ばす。
・・・間に合った!
床に激突する寸前、僕の右手は娘の身体を支えることに成功した。
ふう、危ない、危ない。
ほっとした僕の右手には、僕の腕に戯れてケラケラと笑う娘。
それに加えて。
僕の手に握られているのは・・・先ほどまでお好み焼きにかけていた、ソース。
そしてそのソースの口は、お好み焼きに使用中だったため、蓋が開けられている。
更に、娘を支えるためとっさに力を込めたことによりギュ、と固く握られている。
必然。
容器の口から飛び出したドス黒い液体は、カーペットに点々とした足跡を残し、部屋を横断して食器棚にまで到達し、弾痕の様な爪痕をアリアリと示していた。
リビングソースまみれ。
お好みソーススプラッシュ。
崩折れる僕を尻目に、娘はたった今、描かれたばかりの、ソースをつかった前衛美術(作者:僕)に向かって突進を開始していた。
これ、落ちるかなあ・・・
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